鹿児島県霧島市の「天空の森」、「忘れの里雅叙苑」をご存知でしょうか?一度は泊まってみたい超高級宿。JR九州の豪華列車ななつ星の宿でもあります。
この2つの施設は、同じオーナーさん(田島健夫(たじまたてお)さん)なんですね、知りませんでした。先日、田島さんが、カンブリア宮殿というテレビ東京の番組にご出演されていて、その内容は大変興味深いものでした。
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はじめは1泊3500円の格安宿だった
田島さんは、もともと地元の信用金庫にお勤めされていたそうで、妙見温泉(当サイトでは霧島温泉からの検索が便利)にお母さまが温泉施設を営まれていたとのこと。ところが当時の新婚旅行ブームで、霧島はじめ南九州にたくさんのお客様がいらっしゃるのを見て、観光客相手の商売がいけるのでは?と考えて、温泉施設の横に小さな宿を建てたそうです。
ところが観光客はさっぱり来ない。。。結局、労働者さん相手に1泊3500円の宿をすることになり、「酌をする女性を出せ」などの要求をされて大変だったとのこと。しかし、この時「世の中のお客さんは一様ではなく、様々なニーズを持っている」ことを学んだそうです。
観光客を呼ぶためにオーナーさんがやったこと。気づいたこと
観光客に来てもらうにはどうすればいいか?田島さんがやったことは、「東京に行くこと」だったそうです。お客さんって普段はどうしているのか?そこから何かヒントが得られないか?
そこで、銀座の一等地に菜の花がたくさん飾ってあるのを見てびっくり。「なぜ?こんなどこにでもあるようなものが。。。」若くして上京、都会のコンクリートの中で生活していると、故郷の風景を懐かしみ帰りたいというニーズがあるんじゃないか?と考えて「忘れの里 雅叙苑」を作ったそうです。
忘れの里 雅叙苑は、あなたも一度はテレビや雑誌でご覧になったことがあると思います。田舎の原風景と言うか宿舎は茅葺屋根の古民家。食事は地元のものにこだわった野菜や鶏肉など。「この道鶏優先」という看板が入口にあります。
当時は、温泉地でもコンクリートビル建物。大きなお風呂と一様な客室が当たり前だった時代に、これを建てたのはすごいなと思います。
いまだ発展途上
天空の森は、東京ドーム3個分の敷地に客室は3つだそうです。建物や道路、部屋の家具なども田島さんが自分で作ったそうです(もちろん購入品もあります)。。。
敷地のある場所に、途中から平たく四方に枝を伸ばしている変な木があります。「ここをテーブルに山から上る満月を見ながら酒を飲めたら最高だよね」。木は田島さんが17年前に植えたもの。途中枝を手入れして、わざとこんな形にしたそうです。
春にはここからこぶしの花が見えるといいよね。秋にはもみじがあの位置にあるときれいだよねと考えながら木を植えていくとのこと。高級時計会社オーナー、フランク・ミュラーが来たときは、パーティーをしたいという要望に応えて、椅子を自分でこしらえたりもしたとのこと。
唯一失敗したとおっしゃるのは建物の出口のところが低く、頭をぶつける人が多いとのこと。田島さんが背が低くて自分サイズでものを考えちゃって、ここだけが失敗したと思っているとのことでした。
地域全体を盛り上げる
観光で成功したホテルオーナーは、自分のホテルだけでなく地域全体を盛り上げることに情熱を注がれる方が多いです。田島さんも、そんな活動をされています。
鹿児島の醤油メーカーの販路拡大戦略にアドバイスしたり、同じ南九州のホテル、フェニックスリゾートと天空の森をセットでインバウンドのお客様に提案したり。。。など。
単に素晴らしい宿というだけでなく、その哲学や考え方が壮大で筋が通ったものですよね。管理人も一度宿に泊まってみたいです。ちなみに、天空の森や雅叙苑は予約サイトからの予約はできず、公式ページからのみの予約です。ご予約の方は以下のリンクから行かれてください。
感謝:写真はflickrより引用しました。tsudaさん、素敵な写真をありがとうございます。番組でも紹介されていた高千穂の峰と新燃岳とのこと。